3人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
彼が別れたくないと渋る理由だって簡単に想像が付くから。
結局はあたしが離れて行くのが惜しいから。
あたしが初めて本気で付き合ったと周りに騒がれていた彼は、
それなりに心地よかったのだろう。
株が上がる。名も広がる。
あたしなんて、いい宣伝なんだ。
考えれば考える程惨めになって行く。
明日の朝にはもう噂は広まっているんだろぅな。
人の噂ほど、早いものはない。
彼の言葉には一切答えずに駅に向かった。
短時間で起きた衝撃的な出来事に上手く頭は回らなかったけど、意外とダメージを受けていない自分に驚く。
結局はこんなもん、恋愛なんて。
だからあたしは、
周りに判断される自分の顔が
大っ嫌い。
最初のコメントを投稿しよう!