秘密*桜桃

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彼が別れたくないと渋る理由だって簡単に想像が付くから。 結局はあたしが離れて行くのが惜しいから。 あたしが初めて本気で付き合ったと周りに騒がれていた彼は、 それなりに心地よかったのだろう。 株が上がる。名も広がる。 あたしなんて、いい宣伝なんだ。 考えれば考える程惨めになって行く。 明日の朝にはもう噂は広まっているんだろぅな。 人の噂ほど、早いものはない。 彼の言葉には一切答えずに駅に向かった。 短時間で起きた衝撃的な出来事に上手く頭は回らなかったけど、意外とダメージを受けていない自分に驚く。 結局はこんなもん、恋愛なんて。 だからあたしは、 周りに判断される自分の顔が 大っ嫌い。
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