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雨は嫌いだ。
またこの憂鬱なシーズンがやってくる。
もともと出歩くことはさほど無い。それでもじとじとと降り続くと心にまで降っているような妙な感覚に襲われやりきれなくなる。
いっそのことゲリラ豪雨のように勢いよく降り続いてくれたなら僕の心は少しは晴れやかになれるだろう。
僕は凡人だ。他の人間より抜きに出ているところなどない。ただ一点を除いては。
そう、しっかりしろ。何も怖いものなどない。この世において怖いものなど何もない。
僕は何も悪くない。
そうさ、悪いのは僕。だけど本当に悪いのは僕じゃない。
僕じゃない僕。僕は僕だけど僕じゃない。
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