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今日はマルコがいない。 最近、モビーディック号が不穏な輩から襲撃を受けて以来、空を飛ぶことの出来るマルコは、しょっちゅう外へ偵察に行っているのだ。 だから、正確に言えば『今日は』ではなく『今日も』である。 彼と恋仲にあるエースが寂しがるのも、いわば仕方の無いことなのだ。 「しかし……」 サッチがエースの隣に腰を下ろして、呟くように言った。 「なんでずっと空見てんだ?」 自分も空を見上げて。 小首をかしげた。 するとそこにタイミングよくマルコが帰って来た。 青い炎をまとった美しき不死鳥。 優雅に船の上を旋回し、船首に降り立とうとしている。 突然エースが、弾かれたように船首の方へ走り出した。 ……あぁ…なるほど…… エースは、早くも、船首(モビーディックの鯨の頭の部分)で空に向かって手を振っている。 その笑顔たるや、まるで、フレゼントを受けてる子供ねようであった。
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