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P.T.3rd
東雲夏帆、3年2組。
成績は中の上、運動神経は中の下。
得意科目は国語、苦手科目は体育。
部活は帰宅部、委員は不参加。
兄弟は居らず、両親と3人暮らし。
しかし、両親とは衝突が絶えない。
住まいはマンションの一室。
好物はスイーツ、嫌いな物はキムチ。
趣味は音楽、最近は洋楽がお気に入り。
帰国子女との噂があるが、詳細不明。
彼氏持ちとの噂があるが、詳細不明。
漢検初段との噂があるが、詳細不明。
etc...。
6月14日、午後5時、自宅…。
「集まった情報はこれで全部だ。」
…恐ろしい、と思わざるを得ない。
手掛かりになるかどうかは別として。
これだけの個人情報が簡単に…、僅か半日程度で手に入るのだから…。
「…この中から何か探すんだよね?」
「取り敢えず気になるのは…、
両親との不和、彼氏の存在か…。
兄弟は居ないらしいが…、
この辺りは絶対間違いないのか?」
「あぁ、間違いないぞ。
東雲の友達なら大体の奴が知ってる。
噂の部分はまぁ、自称らしいけど。」
校内に身内が居れば話を聞きたかった…。
だが、居ないならば仕方がない…。
…そういえば、九条先生が言ってたな。
「1年にも東雲って奴が居るらしい。」
「…それって七海ちゃんでしょう?
私、その子の事なら知ってるよ。」
「へぇ、どんな子なんだ?」
意外な所が繋がった感じだ。
というか、希望が異様に興味津々だな…。
あぁ、そういえば希望の初恋の相手…。
確か名前が七海だったな…、阿呆らしい。
「小学校で同じ放送委員だったの。
背が低くて、可愛い系の子だよ。」
希望は美人系が好みだったな…、合掌。
「最初に事件の事を聞いた時、
殺されたのがあの子かと思ったよ。
比較的、珍しい苗字でしょう?」
「まぁ、確かにあまり聞かないが…。
その子の担任教諭は誰なんだ?」
「…えっと、立原先生だった筈だよ?」
立原か…、いけ好かない奴。
「露骨に嫌そうな顔するなよ…。」
…顔に出てしまっていたようだ。
「まぁ、そっちの東雲の話は置いてく。
問題は殺された東雲の方だ。」
「噂では恋人が居たんでしょう?
それって、うちの学校の子かな?」
それなら話は早いんだがな…。
「東雲の彼氏…、捜してみるか?」
「この手の話なら女子の独壇場だな。」
「…仕方無いなぁ。」
愛衣は渋々ながら了承してくれた。
これが解決の糸口になれば良いが…。
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