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正確には口を開いたかどうかはわからない。その人物は黒の布で顔を覆い隠し目元だけしか露出させていない。そのせいで男か女かもわからない。声も男とも女ともとれる中性的なものだった。
「あん? なんだよてめぇ」
相手もわからず噛み付く不良。
「お前らが山本と馬場か」
「なんでお前に教えなきゃいけねぇんだよ!」
聞くのも無駄だと思ったのかその覆面は懐から写真を取り出し目を細めながら不良と写真を見比べはじめた。
「お前らが山本と馬場だな」
「おい、あんま舐めてると痛い目見るぞ」
一人の不良が携帯用の折りたたみナイフを懐から取り出した。
「二足歩行で帰りたかったら誠意をみせろよ」
「・・・・・・」
「ん? これにビビって声もでないのか? 今なら財布ぐらいで許してやるよ」
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