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「着きましたな」
趙雲について森を歩いて半日、荒野を二日歩いた先で、俺達は公孫賛率いる討伐軍の陣まで辿り着いた。
「んで趙雲よ、どうするんだ? いきなりやってきた二人組がいきなり客将やらせろって言っても相手にされないだろ?」
俺の問に、趙雲は何やら含みのある笑みを返した。
「噂では公孫賛殿は人材不足で嘆いている様子。なれば、例え突然やってきた二人組とて腕を見せれば無碍にはされまい」
そう言って近くにいた兵士に声をかける趙雲に一抹の不安を覚えながらも、俺は兵が案内した天幕へと足を進める。
「いやぁ助かるよ!こっちも人手不足でてんてこ舞いだったからなぁ」
目の前で笑顔で話す赤色の髪と白い鎧の少女を、俺は全力ではり倒したい。
まさか客将になりにきたと言った直後に、能力確認もせず歓迎されたのだ。
(俺の不安を返せ、そしてどんだけお人好しだあんた)
「公孫賛殿、今現在の状況をお教え頂きたいんだが?」
もうこいつのお人好し加減は置いておいて、話しを先に進めよう。
「ん?あぁそうだな。 賊の数は約五百ってところだ。 近隣の村を襲ってたところを私達が見つけてな、浚われた村娘達は助けたんだが頭目に逃げられたから追撃してたんだ。 なんとか根城の砦までは追い詰めて今に至る」
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