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「これより三日ほど西に行った所に公孫賛殿が賊討伐のために陣を敷いているらしい。私はそこへ客将として行こうと思うのだが、鳳穿殿もご一緒にいかがですかな?」
どうやら、近くに街や村はないらしく、一番近くでそこらしいな・・・しかたないか。
「了承。よろしく頼むよ」
「ふふふ、では改めて、我が名は趙雲、字は子龍。よろしく頼む」
そう言って右手を差し出す彼女の笑顔はなぜかすごく、怪しげだったのは
気のせいだと思いたい。
「鳳穿だ……まぁ、道中よろしくな」
字とか考えた方がいいかなぁと考えていたこのときの俺を、後の俺は全力でぶん殴ってやりたいと
思っていた。
何故この時の趙雲の口元の笑みに気付かなかったのか……と。
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