25人が本棚に入れています
本棚に追加
数日前 王宮・執務室
1人の青年が入ってきた
「陛下、仰せの通り勅命書の準備が出来ましたので署名を賜りたく…」
青年は大臣だった
大臣はリチャードの様子を見て言葉を無くした
「あっ? もう出来たのか?」
リチャードはシャンデリアに逆さまにぶら下がっていた
「陛下、書類の方は終わったのですか?」
「そんな訳無かろう、執務よりノエルちゃんの方が優先じゃ!」
「陛下…執務を済ませているのなら何をされても構いませんが、度が過ぎる様ではノエル様に報告させて頂きますよ」
大臣の言葉を聞いたリチャードは、即座に椅子に座った
「何をしておる! 早よせぬか!
全く成ってないのぉ、お主は!」
「貴方のせいでしょうが!! 貴方の!!
貴方が執務をしないから! 代わりにやる私達は寝不足なんですよ! このバカヤロー!!」
「うむ…何かすまん……」
まくし立てられて咄嗟に謝るリチャード
「ゴホン…‥すみません、取り乱しました。
では、ノエル様の案件を済ませてしまいましょう」
「うむ、良きに計らえ」
「先ず、ノエル様の理事長就任なのですが………現段階では、非常に困難かとの声が執政官から出ております」
「確かに、ノエルちゃんは魔道軍の執務に魔研での研究、終いにはまた何かやろうとしておる………だからこそ、エリーシャの居る学園に行かせるんじゃ!」
少し、淋しげに語るリチャード
「どうゆう意味ですか?」
「お主もまだまだじゃのぉ~
エリーシャはちと心配じゃが、セレナちゃんが居るからのぉ、ノエルちゃんの理事長の仕事は先ず無いじゃろぉ! 有っても机仕事が少しじゃ」
「確証が有りませんよ、 ノエル様の仕事が増える可能性も捨てられません」
「確証は有る! でなければこの様な事言わぬ!
エリーシャ達はノエルちゃんを溺愛して代わりにやるで有ろう。
それに、万が一の為にノエルちゃんの補佐官2人を学園に行かせるんじゃ!」
どや顔をするリチャード
「陛下にしては手際が早いですね!?
(何時もこうで在って欲しいですね)」
「うむ、後は印を押したら……おぉ!そうじゃっ!
ついでにノエルちゃんへの愛をつづろうかのぉ」
「陛下、神聖な物にその様な事を書くのは如何なものかと……」
大臣は苦笑いで言った
「何を言う! わしにとってノエルちゃんが一番じゃ! ノエルちゃんの為なら神とも戦ってやるぞい!」
鼻息荒く言い切った
最初のコメントを投稿しよう!