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出逢い
聖皇暦2100年4月15日
アヴァンシア王国では華が咲き乱れ、 優しい香りに満ちていた。
「うっ…………わぁ~~~~
大きいですねぇ~この門はぁ、
大き過ぎて1人では開けそ~に無いですねぇ~」
銀髪の髪を後ろで束ね、髪と同じ色の瞳をした、フード付きの碧い色のマントを羽織った冒険者の様な背の低い1人の少年が門の前で立ち往生していた。
「ねぇ君、
我が校に何か用が有るのかな?」
少年に気が付いた女性が話し掛けた。
「さてさてぇ~、どうしましょ~かねぇ~」
女性の存在に気が付かない少年
「君、私の話聞いてる?
学園に何か用かしら?」
「このままだと約束の時間に間に合いそうに無いですねぇ~」
(何なのこの子!!
私の事に気付かないの!?
なんかイライラしてきたわ!!!)
「君!!
学園に用かって聞いているでしょっ!!」
ゴツン
「ア゙ッ!!」
気付かない事に腹が立ち、
勢いで少年の頭に拳骨をしてしまった女性
「仕方な…………………………痛いですねぇ~」
「エッ!?反応遅っ!!!」
気まずさよりも反応の遅さに驚いてしまう女性
「あれぇ~?
私は何をしていたのでしょ~かぁ?」
「エッ!?エッ!?
君、その歳で物忘れはマズいわよ!!」
ゴキッ!!
そう言いながら、強引に少年の顔を自分に向けた。
「あぁ~こんにち………痛い…」
「遅っ!!反応遅っ!!ごっご免なさい!!
君学園に用があるみたいだけど、
何か用?」
「………そうでしゅ………痛い………
」
(舌噛んだ!かっかわゆい!、相変わらず反応は遅いけど!)
「てぃたを噛んでてぃまいました……学園ちょにお逢いしたいのですが……今日は帰ります。」
そう言い、どんよりとした空気を纏い、歩き出してしまった。
「待ちなさい!学園長は私です。
お話は私の部屋で伺います。」
そう言った彼女は黄金色に輝く髪を腰まで伸ばした、所々フリルの付いた紅いスーツを着た小柄な女性だった
「本当~ですか~ありがとぉ~ございます。」
「この門は、入学式などの行事の時しか使わないの、
こちらです着いて来て下さい」
2人は立っていた門の中央から端の方に移動すると、
小さな扉があり、
扉には小さな水晶玉の付いた機械が埋め込まれている。
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