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「知ってる。本当は分かってるんでしょ?でもさ、青木さんって良く分かんないよね。私の事、ウザイ奴って思ってるっぽいから呼び出しても来ないかと思ってたけど。」
さらに私は続けた
「来てくれたんならさ、ちょっとは私に話してよ。何かアドバイス出来るかもだし。青木さんなら今からなんとでもなると思うよ。」
『は?それ本気で言ってんの?新米教師ってこれだから嫌。適当にアドバイスして、はい頑張って。でしょ?呼び出しといて最低。』
まぁだいたいの先生がそうだよね。
先生って個人面談とかするわりに生徒の身になって考えてないって言うか…他人事と考えすぎ。
「ん、本気だよ。ねぇ、本気で夢叶えたいんでしょ?だったら私は協力する。新米底辺教師だけど教師だから。生徒の夢は叶える。教師の一番大切な任務。」
私は青木さんの目をまっすぐ見て言った。
さすがに自分で自分の事、新米底辺教師って言うと悲しくなったけど。
『ばっかみたい。あたしなんてほっとけばいいのに。授業でもあたしウザイんでしょ?だいたい授業なんて誰も聞いてないじゃん。』
「ほっといたら内申で引っかかって大学行けないじゃん。それに別に青木さんウザくないけど?」
生徒をほっとく奴は先生じゃない!!なんて先生らしいかっこいい台詞は私には似合わないからやめた。あー。どうしたら先生らしくなれるんだろ?
『ほんと、由梨ちゃんってウザイ。ほっといてほしかった。あたしの事ウザくないとか嘘でしょ。』
だから私は先生だっつーの!!
友達じゃないの!!
「先生はウザイもんだって。私は青木さんをほっときません。」
私の自慢二つ目:一度決めたものをめげた事がない。
『由梨ちゃんって変な人。じゃ私帰るから!!』
彼女がカバンを肩に掛けた時、カバンのサブポケットから紙きれが落ちた。
彼女はそれに気づく様子もなく廊下を走っていった。
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