*sweet*

*図書室の君*

君を初めて見たのは、補習のために図書室に行ったときだった。

長机の端に小さな君が分厚い本のページをリズムよくペラペラめくっていた。

次に会ったのは呼び出しされて帰るときだった。

小さな君はたくさんの分厚い本を抱えて図書室から出てきた。

それから俺は君に会うために毎日図書室に通ってる。

だが、一度も言葉を交わしたことがなければ目さえあったことがない。

きっと俺に気づいていない。

どんな声で話すんだろう。
どんな風に笑うんだろう。

俺は君のことがこんなに気になっているのに、君はなにも気づかない。