第四章

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「レイくんじゃないか、君は体育館で挨拶中じゃなかったかの」 ユウは《解析》を始めた。 「終わりました、姫様に理事長へ挨拶が終わった報告をしてきてくださいと言われ来たまでです」 「(っ!!こいつっ!!)」 理事長はユウが冷や汗を垂らし顔を青くした瞬間を見てふっと笑った。 「ユウくん、この子はね勇者のレイくん」 「(人間が持てる力のゲージが見えない…フィルターがかかっててよく解んないけど…クオン並みだなこいつ…)」 「やめてください、勇者とかそんな大層なものじゃないですから、まだ人助けなんか全然したことないんですよ」 「これから、たくさん助けていくんだから今はそれでいいんじゃよ」 ユウは落ち着きを取り戻し制服を軽く整え、レイに手を差し出した。 「初めまして、俺ユウって言います」 クオンに躾られてきたため口は悪くとも礼儀はなっているユウ。 「あぁ、よろしく」 握手を交えた2人の周りを人が見ることができない物がふわりと飛んで、窓から出ていった。 ──── 「やっぱり、お前はそこにいたんだな…璃玖」 手に止まっている妖精に金平糖を渡しながらクオンがぼそっと呟いた。
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