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―美知―
「何やってんだか。」
そう言うと、一つため息をついた。
「非常識にも程があるわね。
ついさっき、山本警部が記憶喪失になったって知ったとこなのに。
私ったら、興奮して、事件のことばっか気になっちゃて。
肝心な山本警部の様態に気がいかなくなるなんて。
最低……」
そう言い放すと、
「ほんと、美知ってば最低!
そんなんだから、いつも山本警部の足手まといなんでしょ。
山本警部がいつも一人で事件追いかけちゃう気持ち分かるわ~
こんな部下に頼み事なんか、恐くて出来ないですもの。」
「なんなのよ!アンタは!
呼んでもいないのに影から現れて!」
「あら、お見舞いに来ただけよ。
山本警部の。
アンタと違って優しい女なん警部も目を覚ましてくれるわね。」
彼女は沙知。
私の双子の妹。
一卵性ってこともあり『良く似てるね。』と言われているが、相性は最低。双子にしては珍しいといわれるが、相当仲が悪い。
美知「山本警部ならとっくの昔に目が覚めてるわよ。
今、ベットで寝てるわね。」
沙知「そう。お目覚め最初の景色が美知だとか、山本警部も可哀想に。」
美知「行くんだったらサッサと行け!!
あんたと喋っているとほんと気が悪くなんのよ!」
美知はまるで近くにいる虫がいるような嫌な顔をしながらこの場を去った。
美知「あっ!?
山本警部って記憶喪失なのよね。
沙知が行ったら…………」
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