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会場からはわれんばかりの歓声と拍手が起こり、私が手を振るとそれよりも大きな声が聞こえた。
150メートルの夢舞台を歩ききり、泣きはらしたマネージャーと抱き合い、控え室へ向かう。
「素晴らしいかったわ。あなたは本物のスターよアイリス。」
まだ目の赤いマネージャーが私に声を掛けるが、私は笑顔が返せなかった。
「私はスタッフも観客もみんな騙してるの。スターなんかじゃないわ…」
「別に誰も気にしないわよ。あなたがスターなのは全世界が認めている事だわ。」
そう励ますように言うマネージャーに私は髪を振りほどき言った。
「私は秘密を持ってるのよ。秘密はスターの輝きに陰りを持たせるの。
私が男であるという秘密はね。」
ウィッグを取り払い、手早くパッドを外す。
「すいませんアイリスさん。………」
突然楽屋の扉が開く。若手のディレクターらしき人が扉の前で立ち尽くしていた。
「あら…バレたわね。
いい?
これは私達とあなただけの秘密にしてね?」
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