妄想

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白銀や薄透明な建物が天を突く勢いで伸び、城壁のように並び立つ。 角度を変えて見れば白銀は太陽の反射だった。 氷の表面のような滑らかな石と巨大でつるつるの硝子が贅沢に使われていた。 地上では馬無しで走る馬車が、小さな黒い石で固められた道を通っていた。 人々が歩く場所にすら全て綺麗に揃えた石をしきつめてある。 何かの祭りだろうか?往来する人々がごった返して喧騒を生み出す。 しかし、これだけ人がいるのにも関わらず、官憲は暇そうに立っているだけだ。
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