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その国は戦乱もなくて……
世界はああ、本当に素晴らしい……
「そんな世界に行ってみたいよねぇー……」
ほぅと溜め息混じりにそんなセリフを吐き出しやがる。
こいつはどこの馬鹿王子だろう? と一瞬意識が飛びそうになった。
「王子様、今は帝王学のお時間です」
コメカミが若干ピクピクしてしまった。私も器用になったものだ。
ブルーの瞳は変わらず窓の外から見える城の中庭を見ていた。
「マリベル、想像してごらんよ!平和で文化的で、素晴らしい世界をさぁ」
貴方のそれは想像というより妄想と言うものです。もっと現実をみてください。
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