白雪姫の一大事

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今日も愛読書“君の小鳥になりたい”を片手に家路につく白雪。 白雪の悪い癖で何かひとつのことに集中すると周りが見えなくなってしまうこと、がある。 今まさに白雪の目の前には修繕途中で脆くなっている橋が道の上にかかっていた。 愛読書に集中してしまっている白雪には「立ち入り禁止」の立て看板は見えていない。 橋をくぐろうとしたその時── 「危ないっ!!」 白雪の頭上に鉄筋が今にも落下しようとしていた。 ふいに大きな腕に抱かれ白雪は突き飛ばされたような衝撃を受けた。 その大きな腕から顔を覗かせると、先ほどまで自分がいた場所にこれまた大きな鉄筋が落ちているのを見て思わず身体をすくめた。 いつの間にか手元からいなくなった愛読書を探していると頭上からファサりと落ちてくるのをパシっと大きな手が捕らえる。 「あんた何やってんだよ。大丈夫だったか?」 その人は黒髪に少し茶色のメッシュを入れた好青年だった。
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