白雪姫の一大事

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一方、先ほどの追っ手の青年は完璧に白雪と涼輔を見失ってしまっていた。 イライラしながら町を駆けているとあるモノが視界に飛び込んできた。公園の木の上でスヤスヤと眠る長いクセのある金髪の女。深緑色のブレザーとスカートを身につけている。 「おい!宮沢!んなとこでサボってないで姫を捜せ!!」 茶髪の大きな声に憂鬱そうに伸びをして欠伸をしながらひらひらと右手で茶髪を立ち去るよう促す。 薄ら開けられたまぶたの奥には金色。 その態度にイライラが募ったのか茶髪は木の幹目掛けて壮大な蹴りを繰り出した。 突然揺れ動いた木に振り落とされるかと思いきや、金髪をなびかせながらスタッと地面に着地する。 「意味不明。姫、逃げた?」 腰に手を当てて気だるそうに金髪は茶髪に簡素な言葉で話す。 「たぶん…西高の生徒だと思うんだけどよ、めっさ足早いのなんの…。このままだとアズサに怒られちまう。」 「それ、ハルのミス。私関係ない。」 「なんだよそれ!俺は悪くねぇ!姫を誘拐した奴が…っ」 「姫、誘拐されるヘマ、私しない。でも…姫危険。知らせる?」 しばらく腕を組んで悩みながら茶髪は片足で地面をタンタンと軽快に踏む。
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