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ザアアァァァァァァ――
雨が窓を叩く音で目を覚ました。
寝ぼけ眼で時計を眺めると、午前十時二十分。
夏休みだからって寝過ぎだろ。
俺――烏丸快人(からすまかいと)は脳内をクリアーにするために、頭を何度か降った。
この行為は、どちらかというとあの忌まわしき記憶を振り払うためのものかもしれない。
悪夢とも言える、敗戦の記憶。
「……くそったれ」
吐き出してみるが、寝起きは最悪だ。朝の時点でこれだと、早くも前途多難である。
とにかく起き上がり、食事を済まして制服に着替える。
夏用の半袖カッターシャツなのは良いが、雨の日だと濡れるから嫌なんだよね。
今日は午後一時から一年最強決定戦の決勝戦。
こんな気持ちで大丈夫だろうか?
(……しゃーない)
やる気出して行くか。
手荷物も持たずに、部屋を後にした。
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