雨天にて開幕

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      * 九月一日。 始業式を早々に終え、明日にはテストが待っていると憂鬱な気分で下校する。 というのが、大半の生徒の過ごし方である。 しかし一部の生徒――――学年別最強決定戦に参加する生徒達は、今から決勝戦を行わなければならない。 ぶっちゃけ免除にしてほしいのだが、『勉学とは常日頃の積み重ねなのですっ』と突っぱねられた。 上手いこと怪我でも負ってやろうか、と思わなくもない。 そんな空模様も気分も重い中、古代ローマのコロッセウムを模した建物に入る。 選手控室は入ってすぐの受付を右に曲がるとある。 勿論、受付の様子も分かるわけだ。 「うわぁ……」 思わず、絶句。 何故なら、受付の混みようが半端なかったからだ。 生徒は勿論、選手の父兄らもかなり来ている。 こんな大観衆の中試合をするのかと思うと、トイレに行きたくなる。  
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