悪魔の魔導師 四

雨天にて開幕

　
ってゆーか、安達（あだち）さんは？

ここには前述の通り俺を含めて九人しかいない。安達真弓（まゆみ）さんがいないのだ。

遅刻するような人じゃないんだけどな。

ちなみに、本来ならいなければならないはずの担当教師・四阿哲哉（あずまやてつや）先生もいない。

しかし彼は安達さんとは正反対で、遅刻なんて当たり前の人だ。

なので、この場にいないことには大して驚かない。

今頃のんきに寝てんのかなぁと適当に予想しつつ、刀の手入れを行っている天宮に訊いてみた。

「安達か。私は何の連絡も受けていないが」

「そっか。サンキュー」

話し終えると、天宮はそそくさと手入れに視線を変えた。何故か傷ついてしまう。

もしやナンパでもされているのでは、と危惧し、登録してある電話番号にかける。

すると、不意にドアが開いた。