退屈

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退屈

夕日が窓から射し込んで、教室にうずくまっているアイツの体を照らす。 「はっ、今日はここまでにしてやるよ。行くぞ」 うずくまったアイツを見ると、俺は教室から出ていった。 ストレス発散に昔からの人間サンドバッグのアイツを殴ったり蹴ったりしてるが、ストレス発散にならなかった。 むしろ俺のストレスが溜まっていくばかりだ。 「どうしたんすか?」 横にいる俺の手下が聞いてくる。 そういえばコイツはいつの間にか俺の横にいたな、と思った。 俺はそんな不意に気づいた疑問を手下に訪ねることなく、質問に答える。 「何でもない。」 言葉ではそう言ったが、実際はそうでなかった。 本当は気になることがあった。 アイツについてのことだ。 アイツはいつも俺が殴っている時は遠くを見ているような目をしていた。 だが、さっき殴った時のアイツの目は違う。 遠くを見ている感じは変わないが、ただ少し妙だと感じた。 まぁ、気にする程のことではないと思って、俺は手下に口に出さなかったのだ。 「これからゲーセン行くか。」 「はいっす!」 手下は元気に歩き始めた。 アイツに対しての不信感を振りほどくためでもあるが、それだけの理由ではない。 それは、家に帰りたくないからでもあった。
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