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ザワザワと人混みが出来ていた。
多くの買い物客が品物を買っていると思うが、それは違った。
彼、彼女達は珍しいものを見るために集まっていたのだ。
――――そう天ヶ瀬 光輝の劇場に。
分身1「よってらっしゃい見てらっしゃい🎵」
分身2「世にも珍しい天の川の芸ですよ~🎵」
分身3「お代は見終えてからでいいですよ~🎵」
客寄せの分身達の背後には光輝が様々な芸をしていた。
短刀を使ったジャグリラー。
玉乗り。
人形劇。
そして、手から花を出す手品。
住民達はそんな芸でもかなり楽しんでいた。
ここの住人達はどうやらこういう芸が好きみたいだ。
光輝「これにて天の川の芸当は終了です。またお会いしましょう🎵」
拍手と喝采。
そして、たまっていくお金。
少ししかもらえなかったが、光輝にとってそれはどうでもいい。
――――お代は既にもらっているからだ。
光輝(いつ見ても、人の笑顔はいいなぁ…………)
仮面をつけた光輝は片付けていると、ちょこんと未だに座っている褐色肌の紅い瞳と髪をした少女に目が入った。
光輝「おやおや、もうおしまいですよお嬢さん」
??「………………(ジー)」
光輝「………………まだ見たいですか?」
??「‼(コクコク)」
首を縦に振る少女に光輝は少しかわいいと感じてしまった。
光輝「では何がいいですかな?」
??「……さっきの手からお花を出すやつ」
光輝「そうですか🎵ではいきますよ~。
一・二・三――――ハイッ‼」
光輝の手から小さな花が出てきた。
紅い瞳の少女は一見、興味がなさそうに見えるが実際のところかなり楽しんでいるようだ。
??「…………すごい……どうやるの?」
光輝「すみません。企業秘密でして、お教えできません」
??「残念…………」
光輝「ですが、そんなあなたに贈り物さ🎵」
??「?。……何かくれるの?」
光輝「あなたの髪に既に贈りましたよ🎵」
少女は自らの髪を触るとお花の髪飾りがついていたことに気付いた。
光輝「先ほどの店で買いました髪飾りです。最後まで見てくださったお客へのご褒美ですよ🎵」
??「……ありがとう///」
光輝「いえいえ、あなたの笑顔が私の喜びです🎵」
分身達が片付けが終わったので光輝はこれからどうしようか考えていると――――
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