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心地よい風に桜が舞い上がり、そして散っていく。
儚くも、煌びやかに。
朝日に照らされる桜の花びらが、ひらひらと踊る中。
「はぁぁ…っ」
この春から晴れて高校三年生となる方山咲都は、盛大に溜め息をついていた。
目の前にはクラス名簿が書かれた薄っぺらい紙切れが一枚。
『3年C組 方山咲都
担任 坂上時哉』
「はぁぁ…っ」
何度見ても変わらぬ現実に、またも方山が溜め息をついた頃。
「(クラスに可愛い女子こねぇかな)」
3年C組の担任である坂上時哉は、屋上から騒ぐ生徒たちを見つめ、ぽかんと考えていた。
全ては此処から、動き出す。
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