最終章~lovely days~

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「…………もっと早く…… こうしてたら……良かったかも」 私の体を胸元に引き寄せ、 少し汗ばんだリクの肌が、 離れたくないように いつまでもそこにある。 「…………うん……」 それ以上言葉は見つからない。 ただ私は何度生まれ変わっても。 リクのそばに、 また……いたい。 「…………アオ……、 もう眠い……?」 くすぐったいようなキスを私の首筋にして、 リクは私に、ようやく たどり着いたような顔をした。 「…………うん。 ちょっとだけ。眠いかも」 キスを返し、リクの首もとに 腕を絡める。 私がもしいなくなったら、 リクはまた、迷うのやろうか。 ……ううん、 もう迷いはしない。 きっとリクは。 リクのまま、 生きていける。 「……おばちゃんのこと…… ごめんな。 一緒に写真写してあげたかったけど、連絡つかへんかって」 リクは最後の最後まで おばちゃんを、 今日の為に探していた。 「……ううん……」 ……リク、 今までほんまに…… ありがとう…… そう続けそうになって、 私はリクの体を抱きしめた。 永遠にありがとうは、 言わないよって。 《fin 》
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