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家に着く頃、
雨は止んだ。
雨のやろーめ。
やっと止んだか。
星たちはそう言い、
ぽつぽつお空に出始めます。
「……またな」
と、リク。
「はいはい」
と、流す私。
トラックを、お見送り。
角に消え、見えなくなるまで。
しょんぼり。
部屋の明かりをつけた。
カーテン、入手出来ず。
となると、おのずと
目に入りますな。
さっきの、糸電話くん。
グレーのパーカーで、
部屋をうろうろ。
壁に画鋲は、大家さんに怒られますよ。
……と、見てたら、
なぜか目が合う。
急いでしゃがむ。
もうええかも。
顔を出すと、
糸電話くん、
どこ行った?
トイレかお風呂。
部屋、丸見えですね。
見ていても仕方ない。
ベッドカバーを無理くり装着。
なところで、
チャイムが鳴った。
……誰?
作業は中断。
チェーンをかけて、
ドアレンズを覗く。
…………わ…………
レンズの向こう。
グレーパーカー、
肩の部分。
「……は……い?」
今一度、
チェーンを確認。
ドアはじわっと。
「……すいません。
向かいのマンション……
の者です」
ドアの隙間。
そのtwilightゾーンに覗く瞳。
子犬ですか?
「………………何か?」
あれは覗いてたんや
ありません。
カーテンが無いんですよ。
説明するつもりも
ありませんが。
「……えっと、
そのこれ、なんですが……」
ワサワサと、
押し入れられる布。
まさかとは思いますがこれは。
「…女の子やし、
困ってません?」
ごめんなさいね。
今、ノーミソが
解決できずにいますので。
「……これはどういう?」
どう見てもカーテンの布地。
ピンク。
その色は、
怪しすぎます。
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