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暗闇の中に浮かぶ黄金の輪がゆっくりと回っている。
金に輝くそれは巨大な歯車だ。
歯車は1人の青年と少年を囲むように幾重にも重なっていて、少年はたった1つだけの絢爛な椅子に座り足を組み、幼さの残る顔に退屈そうな、目の前に立つ青年に何も期待していないような表情で見つめている。
「叶えて欲しいものがある」
先に口を開いたのは青年の方。
成人をむかえているも軟らかな雰囲気を纏い、橙色の髪の下からは金の瞳が覗いている。
少年は緩やかに、にぃ、と悪質な笑みを浮かべた。
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