最期のプレゼント

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「もうお前とは、一緒にはいられない……」  どうして? 「これ以上、オレの自由を壊さないでくれ!!」  自由? 壊す? 何を……言ってるの……?  私は貴方に全てを捧げた。捧げられるモノは、全て捧げた。  この目も、鼻も、口も、髪も、手足も、血液も、心さえも。  いつも一緒にいた。手を伸ばせば、いつでも握り返してくれる距離に、いつもいた。  あんなにも近くにいたのに。  朝は苦手だったけど、貴男の嬉しそうな顔が見たくて、頑張って早起きして、お弁当も作った。  手が腫れちゃうくらい寒い日も、貴男の部活帰りを待っていた。  痛かったんだよ? ハジメテの夜。だけど、貴男を喜ばせようと我慢した。  なのに、貴男は姿を消した。私の前から。  貴方が次に現れたのは、部活でマネージャーをしている後輩の子の隣だった。  どうして、その子が隣にいるの? そこは私だけの場所じゃないの?  どうして、その子と手を繋いでいるの? 今は夏なんだから、二人で手を温め合う必要はないでしょ?  どうして、その子とキスをしているの? ここは子供もいる公園だよ? 確かに7時を過ぎたから誰もいないけど、ここは家じゃないんだよ?  どうして? ねぇ、どうして?  ――どうして、そんなに幸せそうなの? 隣にいるのは私じゃないのに。
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