8人が本棚に入れています
本棚に追加
「もうお前とは、一緒にはいられない……」
どうして?
「これ以上、オレの自由を壊さないでくれ!!」
自由? 壊す? 何を……言ってるの……?
私は貴方に全てを捧げた。捧げられるモノは、全て捧げた。
この目も、鼻も、口も、髪も、手足も、血液も、心さえも。
いつも一緒にいた。手を伸ばせば、いつでも握り返してくれる距離に、いつもいた。
あんなにも近くにいたのに。
朝は苦手だったけど、貴男の嬉しそうな顔が見たくて、頑張って早起きして、お弁当も作った。
手が腫れちゃうくらい寒い日も、貴男の部活帰りを待っていた。
痛かったんだよ? ハジメテの夜。だけど、貴男を喜ばせようと我慢した。
なのに、貴男は姿を消した。私の前から。
貴方が次に現れたのは、部活でマネージャーをしている後輩の子の隣だった。
どうして、その子が隣にいるの? そこは私だけの場所じゃないの?
どうして、その子と手を繋いでいるの? 今は夏なんだから、二人で手を温め合う必要はないでしょ?
どうして、その子とキスをしているの? ここは子供もいる公園だよ? 確かに7時を過ぎたから誰もいないけど、ここは家じゃないんだよ?
どうして? ねぇ、どうして?
――どうして、そんなに幸せそうなの? 隣にいるのは私じゃないのに。
最初のコメントを投稿しよう!