8人が本棚に入れています
本棚に追加
私はそれを妨げる邪魔者を排除する鬼となります。
そして、もう一度貴方の顔を私に向けさせます。
心を向けさせます。
未来に見る光景が同じものになりたい。
体だけじゃなく、心も一つになりたい。
幸せを貴方と分かち合いたい。
だから私は、一時の間、鬼になります。
愛を掴むための鬼。
ふふ……。この鬼なら、桃太郎にも負けないでしょうね……。
だって、私たちの愛を越えられるモノなんてないんですもの。
「先輩! あれっ!!」
嗚呼、貴方が私たちの愛を邪魔する猿ね? 犬と雉もいるの? 桃太郎も?
なんでもいいわ。誰であろうと私が消してあ・げ・る。
「うわっ!? た、環!?」
ほら、貴方は私がいることが嬉しいんだね。
あんなに一気にベンチから立ち上がって。
分かるよ。早く私のところに戻りたいんでしょう?
待っててね、今すぐその邪魔者を処分するから。
そしたらすぐに貴方は私と……。
今度は前みたいに、貴方に迷惑はかけないから。私って、ちゃんと失敗から学べるんだよ? 偉いでしょ?
あれ? 涙が出てきちゃう。あ、そうか。貴方は私がこう言うと「偉い偉い」って、頭を撫でてくれたもんね……。
最初のコメントを投稿しよう!