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でも、今は撫でてくれない。あの雌がいるから。
私は薄汚い雌じゃないよ? だって、貴方のことを愛しているんだから。
今私がしなくちゃいけないのは、そこにいるタンパク質の塊を消すこと。
殺さないで臓物を引き摺り出して、口の詰めてあげなくちゃ。
それに、指の爪を剥がすなんて当たり前だし……、そうだ! 歯を抜いてあげよう! 自分の内臓を噛み切れるわけないしね!
あ、そうそう。忘れちゃいけないわね。舌を引き抜かなきゃ。
アレの穢れた内臓なんて見たら、彼はアレを嫌いになって、傍には置かないわ。なにより臭いが堪ったもんじゃないものね。
指が使い物にならなければ、アレの腐った指が彼のと絡むこともないわね。
舌が無ければ、彼とお話しすることも出来ない。
これで彼は私を褒めてくれる! これで彼の純潔は守られたんだから!
あれ? “純潔”? まさか……。彼があんな雌豚に、その子種を注ぐはずないわよね。
だって彼の子供は私が生むんだもの。あんなのとの子なんて、私だったら殺しちゃうわ。
「おい環! そのハサミで何するつもりだ!?」
あ、彼が名前を呼んでくれた!
なんか当たり前のことなのに、とっっっっても嬉しい!
待っててねアナタ。もうすぐで傍に行きますからね。
「い、いや……。来ないで……来ないで……」
この私の目の前で、醜く震えるゴミを処分してから。
こうやって見ると、ますます醜い身体……。
彼はこんなのの何がよかったんだろう。
いや違うわ! こいつが彼を誑かしたのよ!
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