2010.4.20

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2人の距離は確かに近付いていたけれど、その距離が縮まれば縮まるほど手が届かないと身にしみる。 それはきっと1ミリにも満たない程小さくて、けれど絶対に埋まることのない隙間。 思いの丈は誰よりも大きいのに 同じ性というだけで僕たちの距離がゼロになることはない。 巡はいつでも優しいから、僕の気持ちを受け止めてくれるだろう。 ひょっとしたら親友以上にだってなれるかもしれない。 けれど僕は、その先を求めてしまうんだ。 同姓が踏み込むことのできない聖域。 1人の異性に注ぐような恋愛感情。 そのとき彼はどんな表情をするのだろう? ――軽蔑? ――嫌悪? いや、違う。 僕は誰よりも巡を知っている。 常にみんなに優しい巡はそんな表情は見せない。 かといって驚きとか、そんなのでもない。 本当に――本当に辛そうな顔をするんだ。 そして誰かを慕ったことのあるひとなら分かるように、好きな人の表情で一番みていたいのは笑顔なのだ。 無論、男の僕でもそれは例外ではない。 巡にはずっと笑顔で居てほしい。 僕の一方的な感情をぶつけて、笑顔を奪いたくない。 もともと、僕は今日告白をするつもりだった。 思いを伝えて片思いの切なさを共有してほしかった。 けれど、やっぱりできないや・・・・・・。 あんなに楽しそうな顔、崩したくはないもの。
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