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「というわけだ。わかったかい?」
「なぜなら、今俺の目の前には学園長の姿をした老婆の妖怪がいるからだ」
「「いきなり失礼だね(でしょ)!?」」
「はっはっは。半分冗談ですよ」
「半分てどこなの!?」
「老婆のところだ」
「老婆を否定してくれたのは嬉しいが、妖怪を否定しないことによって好感度はマイナスだね」
「それよりも聞きたいことがあるんですけど」
「出た!ハルのスルースキル!」
とりあえず自己紹介するぞ。
俺は佑野春真。
訳あってこの文月学園に転校してきた。
「学園長に敬意を示しなさい
よ……」
俺の左隣にいる金髪の美人は佐藤夏樹。
俺と一緒に転校してきた。整った顔立ちなのでかなりモテる。
「無理だね~。ハルって誰に対してもそんなんだからね~」
そして俺の右隣にいる茶髪のちっこいのが天田遊星。身長、この声の高さ。ぶっちゃけ、小5ぐらいだと思う。
「で?アタシの話は理解できたかい?」
「できましたけど、なんでぼくたちはFクラスなんですか?」
「そうですよ。俺や遊星はともかく、何で夏樹まで?」
「簡単なことさね。面白そうだからさ」
「「納得がいかない上に下らない!」」
「わ、私もさすがに……」
夏樹までああ言ってるんだ。
もう少しましな理由はなかったのだろうか?
「その代わりと言っちゃ何だが、良い物をくれてやるよ」
「「「良い物?」」」
「これさ」
そう言って学園長が取り出したのは、黒・金・銀の腕輪。
「1人1つ。好きなやつを選びな」
「じゃあ、俺は金で」
「ぼくは黒がいいな~」
「それじゃ、私は銀ね」
各々が腕輪を選び腕にはめる。
なかなかカッコいいじゃないか。
「これで話は終わりだよ。さっさと行きな」
「「「ありがとうございます。失礼しました」」」
俺たちは学園長室をあとにした。
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