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そうして藍樹となった女の子は、すくすくと育つ。
伽藍は家主の手伝いをしながら藍樹を見護った。
4年経ち、それが限界だと気付くのにそう時間は掛からなかった。
最初の時、自分の年齢を10歳だと偽った。
4年経ち、変わらない姿に疑問を持つ者が出て来た。
魔力で目眩ましを掛けても、貧血状態の伽藍では、幻を長く持たせる事が出来なかったのだ。
だが、日中を普通に過ごす伽藍を、吸血鬼と勘づく者は居なかった。
それでも、違和感は波紋を起こす。
ある日、藍樹の乳母であるオリビアに訊かれた。
「貴方は何者?」と、だが、伽藍はただ、藍樹の兄だと答えた。
それは昼下がりの柔らかい陽の光の当たる牧場にある小さな木の下。
膝で藍樹は眠って居た。
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