48人が本棚に入れています
本棚に追加
「あのね……私の子どもにしても良いのよ?
ラフも、良いって言ってるし」
この夫婦なら良い親になるだろう。
「ママっ!」
オリビアに飛び付いて来た男の子。乳兄弟のフフも居る。
「勿論、貴方も一緒でね」
それは望んでないと解って居る。
「そう、ですか。有難いお話です」
「んん……」
その時、藍樹が目覚めた。
「ん。がらん……」
淡い翠色の瞳が伽藍を見る。
その瞳は陽の光に当たると、まるで宝石みたいに輝いた。
見つめられると、なかなか目を離せない。
感情は、無くした筈だっ
た。
否、上手く隠して居た。
けれども、藍樹の前では簡単に崩れて、伽藍の感情が溢れそうになる。
「やあ、おはよう藍樹」
そうした毎日は、手放すには惜しいと思える程に幸せを感じて居た。
最初のコメントを投稿しよう!