生きたくて死にたい僕

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  微かに揺れる葉の隙間から、陽が頬に当たる。 吸血鬼は太陽の光に弱い。 と、言うのは、俗世に知られた周知の事実。 だが、伽藍は違った。 糧と成った小鳥達の属性が昼間だから、ある程度の陽の光に抵抗力があった。 それは思わぬ喜びだった。 何故なら、糧と成るのは大抵は人間で、人間の属性は吸血鬼に難なく染まってしまうのだ。以前の、“血の呪縛”に囚われて居た伽藍の様に夜が世界の全てになる。 「ふふふ……」 視界に入る陽の暖かさに声を出して笑み、自身を照らす木漏れ陽に手の平を翳した。 陽に透けた手の平をジッと見つめる。 本当ならば血の赤みが見える。けれども、伽藍の手は指先まで真っ白な手。 血を指先まで行き渡すには小鳥の小さな体では無理に等しい。 故に、人間で言う貧血状態が常に続いている伽藍は、やはり他の吸血鬼と同じく夜の方が元気がよく、昼間はこの柔らかな木陰の高い場所で微睡むのが、伽藍の常になっていた。  
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