生きたくて死にたい僕

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  伽藍は赤子から目が離せなかった。 小さく、美味しそうな人間。 吸血鬼にとって、血の通う生物は全てが糧だ。 美味しそう。と感じるのが当たり前。 だがそれは、諸刃の剣。 血は麻薬の様に神経を蝕む。 摂りすぎると、溺れて堕ちて行くだけ。 それが伽藍を捕らえて離さなかった、あの吸血鬼。 十二分に知って居たからこそ、伽藍は飢えを抑え込んで人里離れた山奥で暮らして居たのだ。 小さな赤子を見て、喉を鳴らす自分を浅ましいと思った。 だが、生きたいと思う欲求は、神経を侵す事など、小さな事だと思わせる。  
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