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突如として部屋に響いた携帯特有の電子音が、電話が来たことを知らせる。
ズボンのポケットに手をいれて携帯を出すと、誰からかかって来たかも確認せずに携帯の通話ボタンを押した。
「はい、もしもし?」
レポートに煮詰まって、苛々とした声で出ると、少しの間があってから返事が返ってきた。
「あの、久しぶり
井々野だけど…覚えてるかな?」
返事で聞こえてきた声は、鈴を転がしたような愛らしい女の子の声だった。
「へっ…井々野って…
もしかして中学で転校しちゃった井々野久美ちゃん?」
「そうっ!
わぁ、覚えててくれて嬉しい
望月君元気だった?」
僕は、誰からの電話か確認せずに出たことを後悔した。
電話の主は、中学ではマドンナ的存在だった井々野久美だった
彼女とは、小学生の頃から付き合いがあった、いわゆる幼なじみに近い存在だ。
彼女は小学校に入る少し前に、うちの近所に越してきて、中学3年になる前に転校してしまったが…。
転校してからは、ほとんど連絡をとっていなかったがいきなりどうしたのだろう?
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