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死にたいのに勇気がでない。 深く切りつけられない。 生きたいんじゃない。 未練なんてない。 でも、怖い。 死ぬことも生きることも。 居場所がない。 行くところもない。 じゃあ、いったいどうすればいいんだろう。 生きる価値を見いだせず、死ぬことすら出来ないなんて、人の恥曝しだ。 もとより、私は生きているんだろうか。 血が出てる。 痛みを感じてる。 血は固まりはじめて体だけが生きようともがいてる。 なんて醜いんだろう。 自分の肉体すら支配できていない。 私は確かに呼吸をし、額には汗が滲んだ。 しかし、生きている実感がない。 月が私を見ていた。 ふと我に返る。 血だらけの腕を洗い流した。 痛みが一瞬染み込んで消えた。 長袖のトレーナーで全てを無かったことにした。
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