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私はいつまでも変わらないと、そう思ってた。
いつの間にか大人になって、気持ちばかり子供ままでいた。
自分の誕生日さえ忘れるほどに、遊ぶことに忙しかった。
名前しか知らない赤の他人ばかりが、オメデトウなんて思ってもいないことを口にする。
そりゃそうだ。
私はいつだってひとりぼっちだった。
1日がやけにはやく終わった。
大丈夫、私は強い。
ちゃんとここにいる。
大丈夫、私は幸せ。
なんの不安もない。
大丈夫。
私は、
私は、
ワタシは、
嘘つきだ。
自分にすら嘘をつくようになっていた。
何やってんだろ、
何のためにやってんだろ、
こんなことして何になるの、
そんなこと考えたくない。
自分を誤魔化した。
私にもこんな感情があったんだ。
だからこんなに、
涙がとまらないんだ。
埋まらない心の隙間を埋める
“何か”を探していた。
そのうち道をそれて、いつの間にかここにいた。
気づくのが遅すぎた。
もう、帰る場所は
どこにもなかった。
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