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「……あまりお邪魔しても悪いし、行こう?」
「え~」
「おやぁ……」
茶菓子が見付からないと奥で盛大な物音を立てていた店主を後目に、
萩花は高椅子から降りて友人を促した。
不満げな友人とその様子に気付いたのか、戻ってきた男にさびしげな視線を投げかけられる。
「タオルとお茶と、ありがとうございました!」
「いえいえぇ。こちらもお話出来て楽しかったですし」
さびしげな雰囲気はそのままに笑顔で返してくる店主。
萩花もほんの少し悪く思ったが、
暗くなるのも気になったので「また来ます」と社交辞令に付け加えた。
「え~ホントに行くの萩花~。まだ雨降ってるよ~?」
「う」
入口から外を覗く友の様子に、萩花は若干言葉に詰まる。
長居は、あまりしたくない。
しかしまだ、お天気雨は降り続いている――
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