同キャラを描き分けてみる

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さて実際に見比べてみると、同じキャラクターでもその印象は大きく変わるという事がわかりました。 やはりメイクアップという概念は、二次元世界においても世界観を広げるのに非常に有効だと思います。 昨今の流行りとしては、特に萌え系アニメにおいて作品内の女の子がほとんどメイクアップしていない様な描写が大半を占めています。これには1990年代後半に流行った『To Heart』、『ラブひな』の流れが大きく絡んでいるのではないかと個人的には分析しており、これらの作品内で描かれた女の子達が新しい美少女像を構築し、後続に多大な影響を及ぼしたと考えます。 更にこれらのスッピン(の様に見えるデフォルメ)描写は、作画作業の簡略化、量産工程の短縮に貢献し、多くの描き手に支持されたというのも広まった要因ではないでしょうか。そしてその副産物としてキャラクターのルックスが若干幼く見え、それが萌えキャラのイメージとも重なったというか、それこそが典型的な萌えキャラそのものとなったのかもしれません。実際、ある絵描きの方は「萌えキャラにマツゲは描いちゃダメェェェ!!」とおっしゃっていたぐらいです(笑)。 もっとも少女漫画、特に『ちゃお』等の子供向け雑誌の作品群においては、更に遡った時代からこうした萌えキャラに通じる様な描写が存在しており、ある意味かなり時代を先取りしていたのかなとも思います(その出で立ちは全く違うと思いますが)。 ところがごく最近になって、アニメの『僕は友達が少ない』等、意図的に女の子をメイクアップさせた様な作品も出始めており、ひょっとしたら新しい波を呼ぶ可能性も出てきていると僕は読んでいます…!。
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