プロローグ

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気温マイナス1度。 「路面凍結」の文字が赤く光る。 始発のバスはまだ少ない乗客を乗せ、のろのろと山道を走っている。 大きく切り立った崖を下ると国道へ続く道に出る。 崖の上から見下ろす景色は枯れ木ばかりで味気もない。 どんよりと曇った空からは、今にも白いものが落ちてきそうだ。 うつろな視線のその先に何が見えるのか、乗客は皆その景色を手持ち無沙汰に眺めている。
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