胸の不安と熱い想い

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  「あなたのことが好きです。つきあってください」  タッパーに入れた卵焼き。  君は驚いたね。  当たり前だね。君にとっては突然のこと……のハズ。 「わ、私でよければ……」  こうして僕らは付き合うことになった。けど時間は待ってくれない。  受験。君は地元の高校に。  卵焼きに人生を賭けていたボクは地方の高校に行くことになった。  皮肉だね。  それでも僕らは別れを選ばなかった。 「どんなに離れていても心は一緒だよ」  別れ際涙でゆがんだ君にささやいた言葉。  遠距離恋愛なんてドラマや小説だけの世界と想っていた。  あの時のボクは強がっていたよ。
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