七年前のプロローグ

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「うん!私も飛鳥の事、好き!」 本音だ、同年代の男の子の中では一番。 そっかぁ、飛鳥達のクラスでも同じ授業があったんだね、ドキドキしちゃった。あっ、いけない! 最後の大切な一言を忘れていた。 「私達、ずっと友達だよ!」 「えっ…」 飛鳥の表情が、喜色満面から複雑な表情に変わった。あれ?喜んでくれないの? 「それ、どういう意味なんだ?」 「?、そのままの意味だよ?」 「…そうか」 それきり、飛鳥は黙り込んだ。いくら話しかけても上の空。「ああ…」「そうか…」くらいしか返してくれない。 そのままさよならの時間になった。飛鳥はいつもなら渋るけど、今日はそそくさと帰った。 飛鳥と話してて楽しく無かったのは、今日が初めてだった。 翌日、昨日の事があって不機嫌な私がいた。自分ではそんなつもりは無かったけど、友ちゃんに指摘された。「晶は顔にでるからすぐわかる」って。 言われてみれば確かにずっと心がモヤモヤしていた。理由は解らないけど。 ダメダメ、こんなの私らしくない。今日は飛鳥を問い詰める、どうしたの?って。だって、大切な友達だから。 今日は、私から飛鳥に聞きに行くんだ。
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