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☆…★…☆
後記。
奇跡を主題に据えての構想にあたってまず感傷癖を排斥するのに苦労したことを打ち明けておきたいところです。当初、O・ヘンリ「賢者の贈り物」(原題The Gift of the Magi)のような作品を書いてみよう! と思ったのですが。
ハッピーエンド至上主義を掲げてはいるものの、よく考えてみると、「奇跡」という語から連想するのはむしろ悪夢に似たイメージです。それが何なのかわからないまま自分の中を侵してくる奇妙な予感、そしてそれが実際に起きてしまうという。
世界各国に散見される奇跡物語なども、どこか不条理で不気味、なんだか肌触りが悪い気がしますね。
蛇足ですがKuuとはフィンランド及びエストニアでの月の呼び名です。これに何か意味があるのかというとそうでもない。表題の『Cosmopolitismo centimetropolitano』は語感が気に入ったため用いたに過ぎず、イタリアのロックバンドDEUS EX MACHINAによる10分超の曲からの引用です。
『swing down sweet chariot』は作中歌として聴いていただければ幸い。Lucky fourの音源が本作のモデルとなっております。
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