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先程、銀叉に噛み付かれた喉元は血がじんわりと滲んでいる。
「……」
私は懐から『快癒』と書かれた札を取り出し、銀十郎の傷に貼り付けた。
「な、何をする……っ」
「……静かに」
するとたちまち傷は塞がり、噛まれた後さえなくなった。
「!お前は……」
「……言っておくけど」
「?」
「私が主従関係を結んでいるのは銀狼一族の頭領ではなく、銀叉というただの銀狼よ」
「……なに」
「それも千年前……つまり、前世の私と十年だけという期限つきの契約だったの」
「!ふざけるなっ、現に親父は今もお前に仕えているではないかっ」
「……銀十郎」
銀叉は重い口を開く。
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