一章

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「死にゆくならばその命、私が貰い受けよう」 女の微笑む顔が……ひどく美しくて……遠くなる意識の中、私は女に見とれていた。 女の名は、凛。 女は私を屋敷に連れ帰り、私の命を救ってくれた。 ……さすればこの命、女に捧げるが道理。 されど、今の私は力を持たぬただの烏だ。 ならば、力をつければ良い。 「……」 何百年、いや何千年かかったとしても私はもう一度、貴女に会いに行きましょう。 そしてどうか、その時は私を貴女のお傍に…… 必ず、必ずやもう一度。
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