一章

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「その『探し物』が何かを鞍馬の烏天狗に直接聞いて来いってさ。ちなみにこれ、本部からの仕事」 「……何と横暴な」 「優秀な本部の人間はこういう危ない仕事は全部地方に回すものよ。でも、私にはお前がいるから大丈夫」 ぽんぽん、と銀叉の頭を撫でる。 「当たり前だ、千年前から私達に勝てる者などいないではないか」 「……そうね」 千年前。 『千年前も、私は陰陽寮に所属する陰陽師だった』 ……私には、前世の記憶が残っている。 それは、前世の私が術を用いて記憶を残したからだ。 成功するかしないか分からない、博打のような物だったけど術は成功。 ……けれど、その代償として千年もの長い間転生する事は叶わなかった。
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