一章

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「……そうだ」 あの、恐妻秋草が手を焼くって…… 「銀十郎!」 銀叉が名を呼ぶと、とても立派な体躯の銀狼が現れる。 「!」 しかし、その銀狼は直ぐ様私に襲い掛かり私を地面に押し倒した。 「この馬鹿者がっ!!」 銀叉は銀十郎の喉元に噛みつき、その勢いのまま放り投げる。 「……クソ親父!!何しやがる!!」 体制を整えた銀十郎は今度は銀叉に飛びかかろうとするが…… 「止まれ、このクソ犬」 私が手を振りかざすと同時にピタリと動きを止める。 「なっ……!?」 「ったく、子どもの躾くらいちゃんとしておきなさい」 「……すまない」 銀叉は私に深く頭を下げた。
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