Case2 近藤靖彦

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うつ伏せになった靖彦を両足を組みながら見下すアロハシャツの男性 「近藤家の研究の成れの果てがお前って訳か…憐れなガキだ」 靖彦が視線を正面の男性と合わすがその冷淡な両眼に添う言動が靖彦の好奇心を掻き立てた 父、秀彦とのビジネス関係だからなのか。彼はアロハシャツの男は類い稀なる経験をしたに違い無いと靖彦の危険信号が知らせる 「アンタ、名前は?」 顎が床に付いたまま喋っていたので床の氷の様な冷たさが妙にその場の雰囲気と合っていて心地よかった 「黒野・バノーティス、俺は超一流な医者だぜ?」 「…そうか」 「自己紹介は終えた、オメーさんには注意点、そしてこれから近藤家がする研究について知るべき必要がある それはお前さんが近藤家の長男として生まれた宿命だ 他の誰でも無い、近藤靖彦の手で研究を全て処理するんだ」 「研究の処理?」 「ああ…近藤家が密かに研究している『イザナイ』は 祖父、父との対立を生み更なる人体実験を繰り返していく彼らは、『人類の進化』 の名の元に様々な医療機関に働きをかけ、手ほどきをしていた」 「ひでぇ…」 「そのイザナイの第一人体実験がお前という訳さ近藤靖彦…」 「ッオレが?」 靖彦はうつ伏せのまま変えられた左腕、右足へ視線を送った。
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